2017年4月26日水曜日

川崎フロンターレ VS 清水エスパルス -攻撃の起点は誰なのか-

概要


押し込んでからの崩し方,および攻撃の起点は誰であるべきなのか考えてみた.

押し込んでからの攻撃


前半の13分.
左から右に攻める川崎フロンターレ.



左サイドで車屋がボールを保持している.
清水エスパルスはボールサイドに寄せて,全員で4-4-2のブロックを形成している.

ここまで寄せられていると,崩すのは辛いのでサイドチェンジ.


谷口を経由して中村,ネットとボールが渡っている最中.

中村がボールを受けたタイミングで,三好が清水エスパルスのサイドハーフとボランチの間に入ってきている.
この動きにより,清水エスパルスのサイドハーフが三好に気を取られて中に絞っている


ネットはそのままサイドの登里へ.
出来上がったのがこの場面.

三好が気を引いてくれたため,清水エスパルスのサイドハーフは登里へ間に合っていない
登里にプレスに来たのは清水エスパルスのサイドバック.

サイドバックの登里に対して,サイドバックがプレスに来ている.
チャンスである.
しかも,三好は,清水エスパルスのサイドバックの裏にしっかりと走り込んでいる.
三好は,サイドバックの裏にスペースを作るべく動いていたのだろう.良い.

サイドチェンジをしたばかりなので,スペースはかなりある.
三好のケアには,清水のボランチまたはセンターバックが出てくるが,どちらが出てきても構わない.
サイドハーフとサイドバックを置き去りに出来た段階でかなり良い崩しになっている.


・・・・けど,普通にネットに戻すんだ.
まあ,登里は普段左サイドで,今回はいろいろな事情の元で右サイドにいるから..
タッチライン上へのパスは出しにくいのかもしれない.
・・・けっこう空いていたけどね.

清水エスパルスのサイドバックがサイドで前に出たということは,逆サイドの奥(図の緑)が空く.
しかも,川崎フロンターレの選手は3人も残っている.
さらに,ネットも十分に余裕を持ってボールを持っている.
大きくサイドチェンジだね?


・・・普通に細かくつないでた.
それで谷口が大きく前にトラップして,その勢いで図の緑の場所へスルーパスを出す.
トラップやボールの蹴り方でパスのだしどころは分かりやすく,清水エスパルスのサイドバックがパスカット.
そのままカウンターを喰らい,失点.

もちろんパスが通ればチャンスにはなる.
しかし,なぜ谷口にあのようなリスクの大きいパスを出させるのか.
谷口は,この時間の前にも少なくとも2本,ビルドアップの段階でパスカットされている.

谷口は,センターバックでみると足下が上手い方ではある.
けど,ボランチとしてみたら,そうでもない.
スルーパスをズバズバと通せるとは思えないのだが.

余談にはなるが,この一連の攻撃で右センターバックの奈良はボールに関与していない
ボランチが2人ともディフェンスラインに落ちていたので,関与する余地がなかった.
無駄がある.

守備の時に4-4-2の布陣を引いてくる相手は,やはり多い.
何処のポジションの選手が出てきていて,何処が空いているのかしっかり見極めて攻撃して欲しい.

両センターバックが起点?


川崎フロンターレは,ボランチを1人センターバックの間に落とし,3バックで攻撃を組み立てる事が多い.
相手が4-4-2だとしたら,川崎フロンターレは3バックの誰かが空く.

基本的に相手の守備は中央を固めるので,3バックの両脇の選手のどちらかが空く.
従って,空くのは左の谷口,または右の奈良になる.


チームとして,この2人のどちらかに攻撃の起点にするので良いのだろうか.


今回の清水エスパルス戦で,谷口はパスカットを何回かされ,その一回は失点につながっている.
本来だったら攻撃の起点になれるボランチを,センターバックの間に落とす意味はあるのだろうか.
最終ラインからロングボールを出さないのなら,ボランチはサイドで攻撃の起点になるのが良いかと思う.

実際,中村はこの試合でも何回か3バックのサイドの位置に入り,攻撃を組み立てようとしていた.

中村は臨機応変に対応できていたというべきか,ネットは指示を忠実に遂行していたというべきか分からないが.
いずれにしろ,押し込んだ後の攻撃も,まだまだやるべき事はたくさんありそう.




以下,よろしくお願いいたします.
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画像は(株)Jリークメディアプロモーションが制作し,DAZNが放映したのを引用した.
ただし,画像中の名前,数字,矢印などの記号は著者が加筆した.